インプラントのメリットとデメリットは？
今回はインプラントのメリット・デメリットに関してお話ししていきます
目次
◾️なぜ歯が無くなったら第一選択がインプラントとなるのか？
インプラント治療のメリットを列挙すると
・他の歯への負担が少ない
・隣の歯を削らなくてすむ
・しっかりと咬める
などがあります。
特に他の歯への負担が少ないことは、ブリッジや義歯（入れ歯）の補綴（ほてつ）治療と比べて優位であり、インプラント治療が第一選択となる理由です。
つまり、ブリッジや義歯（入れ歯）をお口の中に入れると、他の歯へ負担を求めるような治療であるため、場合によって歯を失うことがより促してしまうなどのデメリットを生じます。
◾️インプラント治療のデメリットは？
インプラント治療のデメリットを列挙すると
・治療期間が長い
・外科的な処置が必要となる
インプラント治療の期間は、基本的には半年〜1年程度の時間がかかり、骨の少ない場合ですとより治療期間が長くなります。
外科的な治療は『出血を伴う』治療と言われ、身体への侵襲を考えながら、インプラント治療を検討する必要があります。インプラント治療の適応・非適応は以前の記事で解説していますのでご参照ください。（コチラ→）
◾️ブリッジの治療のメリット・デメリットは？
メリット
・治療が短期間
・外科的な治療が必要ない
・しっかりと咬める
デメリット
・歯を削る量が多い
・構造上、汚れがたまりやすい
・支える歯の負担が懸念される
ブリッジの治療は、ポンティック（ダミーの歯）の部分に汚れがたまりやすいという最大のデメリットがあります。そのため、むし歯リスクの高い方にはお勧めできない治療方法となります。
ちなみに平均8年の観察期間で、18％にう蝕（むし歯）を生じたと言う報告もあります。（Goodacre, 2003）
◾️部分床義歯（部分入れ歯）の治療のメリット・デメリットは？
メリット
・治療が短期間
・外科的な治療が必要ない
デメリット
・歯を削る必要がある（ブリッジよりは少ない）
・構造上、汚れがたまりやすい
・支える歯の負担が懸念される
・咬む能力は劣る
・顎堤が変化する
・着脱の煩わしさがある
部分床義歯（部分入れば）の治療は、金属のバネがかかる歯の汚れがたまりやすいというデメリットがあります。そのため、むし歯リスクの高い方にはお勧めできない治療方法となります。
また、他の歯だけでなく、顎堤（がくてい、歯のない歯茎の部分）にも負担がかかりますので、経年的な骨吸収を生じ、義歯が合わなく痛みが出るなどの問題を生じることもあります。
義歯の鉤歯ではむし歯が2倍できていたという報告もあります（Kratochvil, 1982）
各治療方法のメリット・デメリットを紹介させていただきましたが、患者様自身がしっかりとご理解いただいた上で、治療方法を選択する必要があると思います。
◾️インプラント治療は高額なのか？歯の１本の価値とは？
インプラント治療を検討する場合に、『費用が高すぎる』などの金額面をご指摘いただくこともあります。しかしながら今回デメリットに金額面はあえて記載しませんでした。
確かにブリッジ・義歯ともに保険内での治療が可能ですが、果たしてその保険内の治療は質が良いものか？保険内の治療は、費用負担が安い分、いろいろな面でコストカットがなされており、最低限度の治療と表現されます。
その皺寄せは、補綴装置の出来上がり（質）に影響します。被せ物だと段差を生じ、義歯ですと適合がよくないものも中には存在します。被せ物の段差は、プラークの停滞を引き起こし、適合が良くない義歯は鉤歯に対して揺さぶるような力を、最悪の結果として、歯を失うような方へと向かいます。安易に価格だけで保険治療を選択することは推奨していません。
義歯・ブリッジでの保険外（自費）治療と比較した場合でも、インプラント治療は高価なものとなりますが、前述したインプラント治療のメリットである『他の歯への負担が少ない』という視点ですと、十分に価値があると考えられます。
『歯１本に値段をつけるといくらでしょうか？』
10万円？40万円？100万円？150万円いかがでしょうか？
歯科医師の感覚としては、歯１本の価値は100万円以上の価値があります。ちなみにこの感覚は欧米の一般の方も同様で、保険制度の有無やその違いから生じていると言われています。
歯が１本100万円以上って本当かな？？
近年、開発されている歯が生える薬ですが、実用される際の治療費は150万円程度かかると言われています。ぜひ今一度、歯に投資をするという感覚でインプラント治療の選択肢を検討いただけると幸いです。
歯生え薬の詳細は、コチラから→（https://www.yomiuri.co.jp/local/hashtag-kyoto/20240504-OYO1T50023/：読売新聞オンラインより）
2030年の実用化を目指しているみたいです
文責：歯科医師 / 歯学博士 三浦 基
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