〜骨が足りなくても大丈夫！GBRで乗り越えた症例〜
こんにちは。三浦歯科 院長の三浦 基です。
今回は、「奥歯でもしっかり噛めるようにしたい！」というご希望からインプラント治療に踏み切った60代の患者様の症例をご紹介します。
「骨が少なくてインプラントが難しいと言われた…」という方もいらっしゃるかと思いますが、今回のケースのようにGBR（骨誘導再生）を併用することで、しっかり治療ができる場合があります。
その過程を、写真付きで追体験してみましょう！
目次
◆インプラント前の状態：骨が足りない!?
術前のCTシミュレーションで、奥歯のインプラント予定部位を確認したところ、骨の厚みが不十分で、「インプラントを入れると表面が露出してしまう」状態でした。
特に奥歯では、直径4.0mm、長さ10mm程度のインプラントが標準的ですが、それをしっかり支える骨が足りないと、治療の成功が難しくなります。
また、歯を失ってから時間が経つと顎の骨は自然に吸収されてしまう（廃用性萎縮）ため、骨のボリュームが少ない状態でした。
◆咬み合わせ全体もチェック
上の奥歯（対合歯）を見ると、歯が下に向かって伸びて（挺出して）いました。
これは、咬む相手がいないため、歯がゆっくりと動いてしまった結果です。
このままではインプラントに強い力がかかってしまうため、全体の咬み合わせのバランスを整える必要がありました。
◆いよいよ手術！インプラント埋入＋GBR
局所麻酔でしっかりと痛みをコントロールした上で、Straumann社のBone Level Taperedインプラントを埋入。
これはテーパー構造で安定性が高く、術者にも患者様にも優しい設計です。
CT通り、やはり一部でインプラント表面が露出。
ここで活躍するのが「GBR（骨誘導再生法）」です！
◆GBRって何？骨を「再生」する技術！
GBR（Guided Bone Regeneration）とは、骨が不足している部位に人工膜を使って骨の再生を促す方法です。
今回は、以下の材料を使用しました：
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BioGide（バイオガイド）：豚由来のコラーゲン膜
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Bio-Oss（バイオオス）：牛由来の骨補填材
どちらも世界中で広く使用され、高い安全性とエビデンスを誇る信頼の材料です。
以前は自分の骨を別の場所から採って使うことも多かったのですが、現在ではこのような低侵襲の代替材料で十分な効果が得られるようになりました。
◆6ヶ月の待機期間、そして2次手術へ
インプラントと骨補填材がしっかり結合するまで約6ヶ月待ちます。
この間に、骨が新しくできてインプラントがしっかりと固定されていきます。
6ヶ月後、粘膜からインプラントの頭を出す「2次手術」を行います。
この小さな手術により、インプラントがお口の中で使える状態になります。
◆精密な型取りから、自然な仕上がりへ
その後、歯型を取り、仮歯で1ヶ月ほど経過を観察したのちに、いよいよ本番の被せ物（上部構造）を装着！
最終的な歯は、モノリシックジルコニアという非常に強く、見た目も自然な材料を使用しました。
ステインで色調を調整し、「本物の歯のような美しさ」に仕上げています。
◆治療が終わったら、次は「守る」ステージへ
インプラント治療は「入れて終わり」ではありません。
治療後は、定期的なメインテナンスを行い、長く快適に使っていただくことが大切です。
◆費用、メリット・デメリットに関して
・インプラント相談：無料
・インプラント検査：20,000円（税別）
・GBR：100,000円（税別）
・インプラント体：200,000×2本（税別）
・上部構造：200,000×2本（税別）
【メリット】
・咀嚼能力が上がる
・見た目が綺麗になる
【デメリット】
・しっかりとした管理が必要
・セラミックスが欠ける可能性がある
・インプラント周囲の骨喪失を生じることがある
▼まとめ：骨が少ない場合でもインプラントは可能です！
今回のように、「骨が足りない」と診断されても、あきらめる必要はありません。
GBRという選択肢があることで、安全に、そして確実にインプラント治療を行うことができます。
インプラント治療をご検討中の方、ぜひ一度三浦歯科にご相談ください。
文責：三浦歯科 院長・歯学博士 三浦 基
三浦歯科｜岡崎市昭和町上川田9-7
☎ 0564-32-4833
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