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できるの?歯の神経の温存!?実際の症例で追体験レポート #24

「むし歯が深いと、神経を取らないといけないのでは……?」



そんな不安を抱える方も多いのではないでしょうか?



しかし、近年では歯の神経(歯髄)をできる限り温存するための治療法が進歩しており、状態によっては神経を残すことが可能なケースも増えてきました。



今回は実際に三浦歯科で行った症例をもとに、「神経温存療法(Vital Pulp Therapy:VPT)」の流れやポイントを患者さん目線でご紹介します。



【60代男性の患者様:#13に重度のむし歯】



この患者様は60代の男性で、初診時にお口全体の精密検査をご希望されました。その結果、特に問題となったのが右側上顎犬歯(#13)に見られた深いむし歯でした。



見た目にはわかりづらいものの、レントゲン検査やう蝕検知液による診査の結果、むし歯はC2〜C3レベルに達しており、歯髄(神経)に近接していました。



このまま削ると神経が露出するリスクがあるため、患者様と相談のうえ「神経を残す方向(=温存)」で治療を進めることになりました。

 



【三浦歯科のこだわり:全体の精密検査で見逃さない】



当院では、痛みがある箇所だけでなく、お口全体をチェックする精密検査を行っています。その理由は、むし歯や歯周病は自覚症状が出る頃にはかなり進行していることが多いためです。



今回の患者様も、「痛みはない」とおっしゃっていましたが、検査で進行したむし歯が見つかりました。だからこそ、症状がなくても定期的な検診が大切なのです。

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【むし歯の進行段階(C1〜C4)をおさらい】


むし歯の進行度は以下のように分類されます:


C1:エナメル質内のむし歯

C2:象牙質まで達したむし歯

C3:神経まで進行したむし歯、根の治療が必要

C4:虫歯により歯の構造が破壊され、根の部分だけの状態になっている


今回のケースはC2〜C3の境界で、神経まであとわずかの深さ。ギリギリで温存できるかどうかがポイントでした。

TOOTH DISEASE (TDS) | TRANSPARENT DISEASE MODEL [PE-TDS005] |



【神経温存療法(Vital Pulp Therapy:VPT)とは?】


VPTは、むし歯を丁寧に除去しつつ、神経を温存する治療法です。


神経を温存することで、以下のようなメリットがあります:


歯の寿命を長く保てる

根管治療が不要になり、治療回数が減る

自然な噛み心地が維持される

歯の強度が保たれる


特に神経が生きている歯は、加齢による破折や再治療のリスクが低くなると言われています。


👆神経の色合いや、出血の程度などを確認し、神経の温存が可能かを判断しているところです



【成功率を高めるカギ:MTAセメントの活用】


VPTの成功を支える材料として、近年注目されているのが「MTA(Mineral Trioxide Aggregate)」です。


MTAは:

高い生体親和性

神経組織の保護と修復を促進

長期的な封鎖性


といった特性を持ち、これまでの材料に比べてVPTの成功率を大きく向上させています。


【参考論文】

近年の研究では、MTAを用いたVPTの成功率は90%以上に達するという報告もあります(Duncan HF, et al. Int Endod J, 2019)。

※MTAは保険適用外の材料となるため、自費診療となります。詳しくはスタッフまでお尋ねください。

👆MTAのセメントを神経の上に置いています



【治療中の工夫:ラバーダム防湿】


VPT成功のもう一つのポイントが「ラバーダム防湿」です。


治療部位を唾液や細菌から守るため、専用のゴムシートで口腔内を隔離するラバーダムを必ず使用しています。


これにより、感染リスクを最小限にし、治癒をより確実なものにできます。



【治療後の補綴:ジルコニアクラウンで長持ち】


神経を残した歯はその後の補綴(かぶせ物)も重要です。


今回の患者様には、耐久性と審美性を兼ね備えた「ジルコニアクラウン」を選択していただきました。


ジルコニアは:

白く自然な見た目

金属アレルギーの心配なし

強度が高く、長持ち


といった特長があり、近年多くの患者様に選ばれている素材です。





【まとめ:神経を残す選択肢、ぜひご相談ください】


「神経を残せるなんて思わなかった」


治療後、患者様からいただいた嬉しいお言葉です。


もちろん、すべてのケースで神経が残せるわけではありませんが、適切な診査・材料・手技が揃えば、高い確率で神経温存が可能です。


むし歯が深くても、あきらめずにご相談ください。



【本症例の治療費用】


・歯髄温存療法 30,000円 (税別)

・プロビジョナルクラウン 5,000円 (税別)

・ジルコニアクラウン(ステイニング) 110,000円 (税別)


起こり得る副作用:

・歯の神経の壊死・感染

・セラミックスの欠け

・2次カリエス


【三浦歯科では】


精密検査に基づく診断

最新材料(MTA)の使用

ラバーダムによる感染予防

長期的な補綴設計

により、歯をできる限り残す治療をご提案しています。



岡崎市・安城市で精密むし歯治療・神経温存療法をご希望の方は、ぜひ三浦歯科までご相談ください。


【文責:歯科医師・歯学博士 三浦 基】

三浦歯科|愛知県岡崎市昭和町上川田9-7|TEL:0564-32-4833

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