今回の記事ではインプラントに関して費用面から丁寧に説明していきます
目次
◾️インプラントの費用面
『インプラントってなんでそんなに高いの?』
『検索していったら数万円程度できるところがあったけど、こんなに安いインプラントって大丈夫なの?』
上記質問に対してお答えいたします。
まずインプラント体(ネジ自体の値段)は、メーカーによって様々です。
高価なインプラントと安価なインプラントの価格差は10倍であると言われています。
インプラント自体の価格の差は、そのインプラントメーカーの歴史や技術力、信頼性と直結しているとも捉えられ、価格の安いインプラントメーカーを選ぶことが正解とは限りません。
特に市場のシェアを占めていないメーカーのインプラントを使用すると、今後インプラントに問題が生じた際に長期的なメーカー対応が期待できないなどの問題が生じます。
2017年時点でのインプラント市場調査ではStraumann社が業界トップで27%を占めていると予測されており、業界内でのシェア率が高いことは転院しないといけない際に、対応できるクリニックが多いという利点があります。
またその創業を遡ると、1954年のReinhard Straumannによる研究期間の設立から始まっており、1965年からチタン製インプラント治療がヒトへ応用され、インプラント治療が普及していく時代から首位を占めていた歴史のあるメーカーとも言えるでしょう。
また信頼のおけるメーカーの特徴ですが、インプラントデザインやラインナップの変更が少ないなどがあります。
インプラント治療を受けてよく問題となるのが、10年後他の部位の歯を失ってしまい、再度インプラント治療が必要となるケースです。インプラントのデザインが変わらないとパーツの互換性があるため、治療の選択肢が増えます。(具体的にはインプラントの上部同士を連結するなどの対応が取りやすいです)
また表記によってインプラント体と上部構造の価格(→インプラントの構造に関する記事を参照)を分けている場合もあり、1本〇〇万円というのはインプラント体のみの価格であり、上部構造は別途費用がかかるなどの表記についての確認も注意が必要です。
また自費治療の価格設定ですが、原価の3-4倍程度にしているクリニックが多く、その理由としては、器材の準備、使い捨て器具の使用、人件費、技術料、治療時間など目に見えないコストが重なっており、
インプラント治療の価格を安価に設定した場合は、他の部分におけるコスト削減を考えないといけないため、その結果治療の質の低下を招く原因となります。
➖インプラント治療で後悔しないメーカーの選び方
①業界シェア率が高い
②メーカーとしての歴史がある
③原価 / 価格設定が安すぎない
上記3点を参考に選ばれると良いかと思います。
◾️保険適用のインプラント?
インプラント治療は一部保険適応されていますが、全ての患者様が適応となる訳ではありません。
『広範囲顎骨支持型補綴』という補綴方法となり、該当の施設基準を満たしている保険医療機関での治療が可能となります。(当院では対応していません)
対象は、ブリッジや義歯での咀嚼機能の回復が困難でかつ、
- 腫瘍、嚢胞などによる顎骨・歯槽骨の広範囲な欠損または再建症例。具体的には4歯相当の欠損や鼻腔との交通がある症例。
- 外胚葉異形成症、唇顎口蓋裂の先天性疾患で、連続した1/3顎程度以上の多数歯欠損
- 6歯以上の先天性無歯顎症、前歯・小臼歯(永久歯)が3歯以上萌出不全あり、1/3顎程度以上の多数歯欠損であること
上記を基準として満たす必要がありますが、今回は治療対象を簡略化して紹介しており、実際の要項はより詳細にありますのでご自身で確認いただくか、対象の医療機関でご相談ください。
◾️医療費控除に関して
医療費控除とは、1年間に支払った医療費(家族も含む)が一定の基準を超える場合に、確定申告をして、税金の一部が還付される制度となります。下記に判断基準や対象を示しますのでご参考ください。特に治療費が10万を超えるようなセラミックス・インプラント治療は対象となります。
➖判断基準
・1年間の医療費合計が10万円を超える場合(所得が200万円未満の方は所得の5%を超える場合)
・対象となる医療費は、その年の1月1日から12月31までの1年間に支払ったもの
・本人または、生計を一にする配偶者、親族の支払った医療費
➖歯科の医療費控除の対象治療
・むし歯・歯周病の治療
・セラミックス治療(美容目的は除く)
・インプラント治療
・親知らずの抜歯
・子供の不正咬合を対象とする矯正治療
・【治療目的】の歯ブラシや歯磨き粉
・処方された薬
・治療のための通院費(ガソリン代・駐車場代は除く)
➖計算方法
①医療費控除額の決定:(1年間の医療費合計-保険などで補填された金額)-10万円(または総所得金額等の5%)
②医療費控除額×所得税率、医療費控除額×住民税率(一律10%)
◾️3ステップで理解する確定申告のやり方
①医療費控除の明細書の作成
詳しくはコチラから→国税省のHP(医療費控除の明細書)
②確定申告書の作成
詳しくはコチラから→国税省のHP(確定申告作成コーナー)
③確定申告書の提出
提出期間は毎年2月16日から3月15日となります
これらの情報がインプラント治療を受ける上で役立てば嬉しいです。
三浦歯科でのインプラント治療に関してはコチラから→
三浦歯科 院長 三浦 基